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鬱陶しい。全くもって鬱陶しい。
頭の中で御託を丁寧に並べた所で目の前の存在が消えるわけでもなく。
ふわふわ浮いて身体の周囲を回る異物を手で軽く払うと、呻き声をあげながらそれは部屋の隅まですいーっと飛んでいった。
何が悲しくてあんなホラーに朝起こされねばならんのか。
血だらけ顔面蒼白女(上半身のみ)の他に異物は・・・なし。
のそりと身を起こし、時計を見やるとそろそろ支度を始めなければいけない時間だった訳で。
顔面蒼白女は何か意味もわからず部屋の隅でくるくる回っていた。
一つ深く溜め息を吐くと、部屋を後にした。
今日も一日が始まる。
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