1話目

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三国先輩の復活を待ち、二人で学校へ向かう。 道中では駅から徒歩組からの羨望の視線を浴びながら。 三国先輩はとても美人さんなので一緒に登校するというのはかなりの優越感なのです。 「そう言えば貝中くん」 「なんですか?」 「君は帰宅部だったかな?」 「安定の帰宅部ですよー」 一人暮らしで生活厳しくてバイトしてるから部活やる暇がない。 とかそんな理由では無い。 そもそも金銭面に関しては裕福な祖母から援助を受けていて、むしろ余るくらい。 なのに部活をやらない理由は、単純に面倒だから。 更に言えば俺は人付き合いを面倒だと考える残念な部類の人間なので、人間関係が嫌でも増える部活動は少々億劫なのだ。 「なら、オカルト研究部に入部する気はないか?」 「オカルト研究部?」 うちは生徒の自主性を重んじる校風(どの学校もそう言ってるような気もするが)らしく、規制も緩いためすぐ奇妙なサークルが作られたりする。何か活動しようって時にサークルであれば活動費が支給される。それ目当てで名ばかりのサークルを作る輩も少なくない。 よってサークルの数はもう恐らく学校側も把握出来てないのでは?という程に多い。 が、部活動は違う。 サークルが学校側から非公式にではあるが活動を認められた団体だとすると、部活動は公式に認められた団体。当然認可規準も厳しく数も少ない。従って数の把握も容易ということ。 こんなに長々と語ってあれだが、つまり何が言いたいのかというと・・・ オカルト研究部なんて聞いたことない。
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