1話目

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俺の表情から内心を悟ったらしい三国先輩は後の句を続けた。 「あぁ、オカルト研究部は今年度から私が新設した部活動でな?」 「あぁ、なるほど」 新しく出来た部活動なら俺が知らないのにも合点がいく。 「作ったまでは良いのだが、部員が足りなくてな。是非君に入部して欲しいのだよ」 「いま何人なんですか?」 「私を含め4人だね」 ・・・確か部の設立規定人数って20人以上じゃなかったか? というかサークルの設立規定人数が5人だったからそれすら満たしてない。 「・・・よく認可されましたね」 その人数で。 「ところで貝中くん、私は生徒会長だ」 「知ってますよ」 去年生徒会役員選挙で他の立候補者ぶっちぎって余裕の当選かましたのはまだ記憶に新しい。 何故か無駄に人望あるんだよな、この人。 「ま、生徒会長権限でちょろっと部員人数とか認可に必要な細かい物を改竄しただけさ」 「うわ・・・」 「おかげで我が部には幽霊部員がわんさか居るのさ。オカルト研究部だけに」 「・・・職権乱用だー」 親父ギャグはスルーの方向で。 「権力と人望は使い様だよ、貝中くん」 駄目だこの生徒会長、早くなんとかしないと。
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