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その後部活勧誘をのらりくらりと躱しながら昇降口で三国先輩と別れた。
(二年と三年では入口が違う)
誰と会うでもなく普通に教室まで辿り着く。扉のすぐ上にある掛札には2-2の文字。誰かが故意に札を差し替えたとかでもない限り紛れもなく俺の教室である。
さっさと中に入るといつも通りの人間、いつも通りの喧騒が出迎えた。
このクラスになってからはまだ一ヶ月程度で多少の違和感もあるが
、既に一年間をこの学校で過ごしたお陰かクラスは違くとも勝手知りたる仲間は割と多い。
現にこのクラスにも2-2組らしさというものが少しずつ滲み始めていた。
「やぁやぁシェル中くん!おっはー!」
先の三国先輩へのふざけた挨拶を素で言ってのけ学友その2が現れた。その1は三国先輩な。
というかシェル中って誰だ。
「俺の名前はシェル中じゃない貝中だ」
「おや失敬。んじゃ改まして。やぁやぁシェル中くん!おっはー!」
「全然改める気無いだろ、お前」
「まぁね!」
むん、と無い胸を張る。この光景を見ていつも悲しくなるのは俺だけだろうか?
「おっはー!」
「はいはい、おはよう竹内」
「ん、よろしい!」
て訳で残念な学友の一人、
竹内由紀である。
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