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あれから何年の時がたっただろう。
ー朝。目覚め、やけにはっきりと覚えている夢の内容を思い返す。
懐かしい……。
そう思った。
自分の初恋が敗れた瞬間。
幼なじみとして、あれからずっと傍に居続けた。
彼女の幸せだけを願っていた。
彼女がここにいてほしいといったら俺はいまここにいる。
あの時から、なにも変わらず……。
毎日彼氏の話を嬉しそうにする彼女のことが、変わらずに好きだ。
嬉しそうに、照れ臭そうに笑う彼女。
一緒に笑って、
楽しんで、
最後にいう言葉は決まって、
「幸せそうだな。」
答えはいつも決まって、
「幸せだよ。」
その時の俺は、ちゃんと笑えているのか?
自信がない。
それでも俺は嘘をつきつづける。
彼女が幸せならそれでいい。
そう思って。
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