夢桜 1枚目

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あれから何年の時がたっただろう。 ー朝。目覚め、やけにはっきりと覚えている夢の内容を思い返す。 懐かしい……。 そう思った。 自分の初恋が敗れた瞬間。 幼なじみとして、あれからずっと傍に居続けた。 彼女の幸せだけを願っていた。 彼女がここにいてほしいといったら俺はいまここにいる。 あの時から、なにも変わらず……。 毎日彼氏の話を嬉しそうにする彼女のことが、変わらずに好きだ。 嬉しそうに、照れ臭そうに笑う彼女。 一緒に笑って、 楽しんで、 最後にいう言葉は決まって、 「幸せそうだな。」 答えはいつも決まって、 「幸せだよ。」 その時の俺は、ちゃんと笑えているのか? 自信がない。 それでも俺は嘘をつきつづける。 彼女が幸せならそれでいい。 そう思って。
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