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翌日、ユウキが学校を休んだ。
先生曰く38℃もの高熱が出たらしい。先生は「バカも風邪を引くんだな~」と言ってみんなの笑いを取っていたが、私だけはすごく心配だった。
だって、昨日私を小さな折り畳み傘で送ったから、私が濡れないようにとユウキが代わりに濡れちゃったから、風邪なんか引いちゃったんじゃないかって。私…マネージャー失格だな。
その時、先生が私の名前を呼んでる声が聞こえた。
「…岡さん、高岡さ~ん、高岡ユキさん、聞こえてますか~?」
「あっ、ハイ!」
椅子から立ち上がって慌てて返事をする。
「珍しくボーッとしてましたね。何か考え事してたんですか?」
「いえ、ちょっと…。で、なんですか?」
「斎藤くんの家に今日のプリントとか持っていってあげてくれないですか?あと、早く風邪なんか治して学校に来なさい。私を含めてみんなが斎藤くんがいないとちょっとだけ寂しいって思ってますから。って伝えてやってください。今日のあなたの宿題です」
「は、はい!」
まるで私が今、ユウキの事を考えてたのが見抜かれたのかと思い、少し驚いた。でも、これはチャンスだ!昨日のこと謝らなきゃ。
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