170人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日。
『よっ!』
いつもの返事が私の背後からやってくる。
「ユウキ!もう大丈夫なの?」
『おうよ!もう全然平気のへのかっぱでぃ!』
おちゃらけた感じで元気になったのをアピールしてくる。見た感じは確かに元気に見える。
「良かったぁ…心配…したんだよぉ…」
と、少しだけ涙目になりながら精一杯の笑顔をみせた。
すると、ユウキは私の手を握って、自分の額へともっていった。
『心配すんなって。な?もう熱は下がったから大丈夫!お前の右手は魔法の右手だな!』
私はドキドキしながら、ユウキに手を握られていた。すると、ユウキはハッとしたように手を離して、
『ゴメン!いきなり手、握っちゃって…』
「んーん。てか、ユウキの手ってあったかい」
『ま、まーな。その分、心は冷たいかもよ?』
「…ユウキの心はきっとあったかいよ」
そして二人は見つめ合って、笑った。
キーンコーンカーンコーン。
『やべっ!急ごうぜ!』
と、ユウキが言うと手を引っ張られて学校へと駆け込んだ。
ちょっと嬉しかった。
最初のコメントを投稿しよう!