2月15日

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『そういえば、もうすぐバレンタインだよな。お前、誰かにチョコあげんの?』 部活の練習中にユウキが突然聞いてきた。 「えっ?…あ、どうしよっかな…」 私が真面目に考えてたら、ユウキは笑いながら、私に言う。 『ま、お前にチョコもらう奴は不幸だよな~』 「なんでよー!」 真面目に考えてる最中に茶化されたので、少々ムカッとした。 『だってお前、料理超下手っぴじゃん☆』 図星。 「うっ…って、あんたがなんでそんなこと知ってんのよ!あんたの前で料理したことなんかないじゃない!」 図星を突かれながらもすぐさま答えの矛盾に気付き、言い返す。 『調理実習でお前の作ったクッキーをつまみ食いしたけど、あまりの不味さに死にかけたからな♪鉄の胃袋を持つ俺じゃなきゃ今ごろ天国にいるぜ?』 そういえば、私が作ったクッキーが目を離した隙に一つ消えたことがあった。どこかに落として転がったんだと思ってたけど、ユウキが食べていたなんて…。あれは私も一口食べたけど、とても食べ物と呼べたものじゃなかったはず。 『一枚食べきるのに5分もかかるクッキーなんて初めてだったぞ』 (え?…あれを食べきったの?) 驚きと戸惑いの表情をする私をその場に残し、 『さっ、練習練習♪』 と言いながら、ユウキはグラウンドへと走って行った。
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