2月15日

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「斉藤くん、この式を因数分解して」 数学の畑先生がユウキを指名したが、ユウキはいつも通りのおやすみタイム。 「…ユウキ、当てられてるよ!」 小声で呼び掛けながらユウキの背中をつつく。 後ろの席の私はそんなユウキを起こす係だ。 「…いつも通りグッスリ寝ているようですね~」 畑先生が教科書を筒状に丸めながらユウキの席へと歩いてくる。 スパコーン!! 『ふぁい!…春はあけぼの…えっとー…』 教室、爆笑。 「今は、数学の時間ですよ?」 畑先生は笑顔ながらもその言葉には微かに怒気が混じっている。 『…スンマセン』 これはウチのクラスでは1週間に1回は行われる恒例行事みたいなもので、しかも決まって数学の時間にである。
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