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部活後、家に帰る準備をしていると、雪がちらついているのに気付いた。
「そっかぁ…今日は雪が降るって言ってたっけ。傘持ってきてないよー…」
一昨日のユウキとの登校中の会話を思い出しながら、独り言を呟く。時間は夕方の6時半。他の部活をやってる友達もすでに帰ってる時間だ。
「どうしよー…」
もう一度窓の外を見てみると、ちらつくというレベルではなくなっていた。部室でどうしようか悩んでいると、急にドアが開いた。
『何してんだ?まだ帰らないのか?』
ユウキだった。ユウキに傘を忘れて帰れないことを話すと、
『バッカだなぁ~。一昨日お前が雪降るって言ってたんじゃん』
バカにバカと言われるのがこんなに腹立つものだとは知らなかった。なので私も喧嘩腰に言い放つ。
「ユウキだって、どうせ傘なんて持って来てないんでしょ?」
ユウキの性格は幼馴染みゆえに知っている。天気予報なんてものは見ないし、見たとしても傘を持っていくことを忘れる。なので、雨の日はいつもビショビショになって帰っている。
どうだと言わんばかりにユウキを見ると、ユウキは不敵な笑みを浮かべていた。
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