平凡な日課

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それから少しだけ子供達の遊び相手に周り、頃合いを 見て孤児院を出た 俺が出て行く時に見せてくれる皆の寂しそうな表情は 何度見ても慣れない。『これが最後じゃないんだか ら』と言ってあげるが、ここにいる子達は親の最後の 姿が去る時の背中なんだ 悲しまないはずがない・・・ 暫く考えながら歩いていると、目的地に着いた ――そこは工事現場 今は道路工事をやっている。 俺が来た理由は、ここでバイトやってるから。中学生 でバイトは駄目? そこは大丈夫 ここの監督は親父の古い友人だったために、俺とも知 り合いだ 親が残した金だけじゃキツイし、祖父や祖母に援助し てもらってたけど、悪いと思って断った そんで働けねーかなぁっと思って頼ったのが、監督な んだよね 事情話したら、すんなりOKしてくれたよ。優し過ぎ だわ ってことで、俺は18時~22時の4時間。ここで生活 費を稼いでるってわけ。勿論、学校側は知らない。 知ってるのは職場の人と親友の宮崎、あとは香織だけ あいつらは信用してるし、いろいろと話しを合わせて くれるからな
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