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保健室には誰もおらず、暖かい日差しが机に差し込んでいた。
結「よっ…と」
その机に書類を置き、ふぅっと額を拭う。
緋「ありがとう、助かった…わ!」
結「んな!?」
緋吹は足首をグキッと曲げたかと思うと、書類を宙に撒き散らして派手に転んだ。
結「…いってぇ~、ってうわ!?」
緋「浪居君!大丈夫!?」
今の状況。
緋吹は結の上にのし掛かる様に倒れ、柔らかな胸が破裂しそうなほど強い圧力で結に押し付けられている。
結「おまっ、胸…///」
緋「え?ひゃぁ!ごめんなさい!…痛っ!」
その場から飛び起きると、先ほど曲げた足首を抑えている。
どうやら捻ったようだ。
結「痛むのか?」
緋「え、ううん!平気よ!…っ!」
少し動かしただけでも顔をしかめている。
結「見せてみろ…腫れてるじゃねぇか」
足首の腫れを見るや否や、結は立ち上がり包帯とシップとテープを取り緋吹の前にしゃがみ込む。
そして慣れた手つきでシップを貼り、包帯を巻いてテープで止めた。
結「これで少しはマシだろ」
緋「ありがとう、先生が治療してもらうなんてね」
結「いいって、ほらこれ書類。
じゃぁ俺は教室行くから」
緋「あっ!待って!」
結「?なんだよ」
ドアに手をかけた結の腕を掴む。
そしてそのまま結を引き寄せた。
緋「んっ…」
2人の影が重なる。
緋「…手伝ってくれたご褒美」
結「…っ///
じゃぁ、な…///」
顔を赤くさせながらその場を後にする結。
これは誰にも知られてはいけない結の秘密。
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