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そんな俺の叫びは青い空の下、響いていた。
あ、なんか素敵。
じゃ、ねーよ!!
あまりにも信じ難い事実だったから思わず現実逃避しちゃったよ!!
違う違う。
今は、この佐倉をどうするかだった。
佐倉は果物ナイフを片手でぶらぶらと持っていた。
あぶねぇなヲイ。
つか良くそんなん持ってて捕まらなかったな!!
すると、佐倉は持っていた果物ナイフをスゥと己の首に突き立てた。
「...そんな僕は死んだ方がいいんだよね!」
はぁ!?
佐倉は果物ナイフを強く握り締め首を刺そうとしていた。
「いやいや、待て!!お前さっきの話でどうしてそうなったぁ!!」
俺はとりあえず果物ナイフを取り上げようとする。
「だって、宮下君を困らしたんだもん」
ちょっと涙目な佐倉、てかだもんってだいの男が言うセリフか!?
というーか。
「そんなんで死のーとすんなぁぁ!」
と言いながら佐倉の手にある果物ナイフを取り上げる。
ゼェゼェ
大声を張り上げながら運動したせいか息が荒くなる。
皆さんのお察しの通り俺は帰宅部だ。
誰も聞いてないって?
知ってる。
そんな事を思いながら、佐倉を見ると前髪で隠れている目がキラキラと輝いてる気がした。
うわ、この目はヤバい。
背筋に凍るものを感じながら俺はこいつから逃げていた理由を思い出した。
こいつは・・・
「やっと、一緒に死んでくれるんだね!!」
自殺願望者しかも巻き込み型(俺限定(泣き)
じりじりと目を輝かして(気がする)近づいてくる佐倉。
それに対して俺は後ずさり。
「なんで逃げるの?宮下君。一緒に逝こうよ、ね?」
「逝かねーよ!!てかどーいうことで一緒に死ぬ事になんだよ!!」
こんな青春真っ只中で死ねるか!!
まだ青春らしい事したことねーけどな!!
(ノ△T)
ドンッ
やばっ、後ろは壁だった。
逃げ場を失った俺はただじりじり近寄ってくる佐倉に目を向けた。
その手にはまたしても果物ナイフ。
どんだけ隠し持ってんだよ!!!
あぁ、俺ここで死ぬのか。可愛い彼女欲しかったな…。
なんて思っていたら、不意に明るい声が木霊した。
「勇一ちょっとまぁったぁ!!」
助かった。
と、思った俺果てろ。
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