そんな俺達の日常。

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派手な登場で現れたのは、瀧谷 稔 (たきや みのる)だった。 明るい声と同じく明るいオレンジ色の髪を短く切っており、目はカラコンなのか若草の黄緑色をしていた。 端から見ると明るい爽やか青年であろう。 あくまでも端から見るとだ。 俺からすると、ものすごく迷惑な存在でしかないのだが。 「勇一、千宗君殺そうとすんなよ~こいつはぁ...」 あぁ、またかまたこうなるのか。 「こいつはぁ、俺が悪の魔王を仕留める為の大事なキーパーソンなんだからよ!!」 「お前はあほかぁぁぁ!!!」 こだまする。俺の声が校舎周辺にこだました。 今アホな事を言ったやつ瀧谷 稔は皆さんのお察しの通り、中二病オタクだ。 何故か知らないが、俺をキーパーソンやら預言者、またしてや世界を救うための犠牲者(ひでぇ)などと言うのだ。つかゲームのやり過ぎ。 そんな世界を救う力があるんならとっくの昔に使ってるわボケェ。 「うわ、ひでぇ千宗君。俺の事そう思ってたわけ?傷つくわぁ」 そう言いながら瀧谷は太陽に光り輝く髪を弄っていた。 絶対思ってないなそれ。 すると、今まで黙っていた佐倉が急に声を上げた。 「稔違うよ。宮下君は僕と一緒に死ぬんだよ!!」 そっちも違うわ!! 目を輝かして言う佐倉に俺はうなだれた。 あぁ、中学までは平凡だった俺の日常どうしてこんな事になってしまったんだろうか。 近くで言い争う二人の声を遠くに感じながら、俺は遠い昔に想いをのせた。 そんな俺達の日常。
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