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キーコーンカーンコーン
昼休みを終えるチャイムが響き渡った。
するとさっきまで言い争っていた佐倉と瀧谷は
「勇一...」
「そうだね、稔。」
そう言うとサッと前を向き、ものすごい速さで走っていった。
ん?ちょっと待て…
「俺をおいてくなぁー!!」
俺は前を行く二人に追いかけた。
てかお前ら真面目だな!!
息を切らせながら俺は廊下を走っていた。
もうあいつらいねーし、どんだけ足速いんだよ。あいつらも帰宅部だよな~。
なんて思いながら廊下の角を曲がると
ドンッ、
何かとぶつかった。
「うわっ!!」
「キャッ」
うおっ、女の子の声だ!
...俺変態みたいだな。
相手はぶつかった勢いからか尻餅をついていた。
あっ、やべっ!謝らなきゃ…な。
そんな考えは相手の姿でかき消された。
一言で言うなら。
百合。
凛としていて儚げで他の女の子の姿など眩むくらいの美しさ。
腰位まである長く黒い艶のある髪。目はまつげが長く髪と一緒で闇を思わせる黒をしていた。
その姿に見とれていると、不意に目の前の女子から声をかけられた。
「イタタ、君、人にぶつかっておいて謝りもしないのかい?」
その言葉に、ハッとなり、
てか声も可愛いな!!
じゃ、ねーわ。
自分の考えに首を振りながらそっと彼女に手を差し出した。
「ゴメン大丈夫か?」
そう言うと、彼女は俺の手を取り立ち上がった。
手もちっちゃいなヲイ!
やっぱり変態っぽい?
立ち上がった彼女は俺を見ると目を見開いた。
「君は...」
何だ?
キーコーンカーンコーン
チャイムKY!!
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