2011.3.11

1/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

2011.3.11

3月11日 アタシは福島県郡山市にある 職場でその時を迎えた 建物が建ち並ぶ 地方都市の駅前中心地 その中のホテルの1件 3Fにある厨房 休憩に入った直後だった 突然の聞いたことのない警報音 なんのことかわからず あんな大きな地震だとも思わず ただ過ぎ去るのを待っていた 地震第1陣 避難するほどではない これで収まると思ってたのに 地震第2陣 立っていられない 歩けないほどの揺れを感じ フライヤーの油 作業台上の出汁 大きく波を打ちこぼれていった どうしていいか分からず ただ立ち尽くしていたアタシ 上司の外へ出ろ と言われそこで初めて 自体の深刻さに気づく 逃げようにも 歩けないほどの揺れ なんとか柱に捕まり揺れが治まるのを待った そこでアタシが思ったことは 死 だった 天井が落ちて来る 床が抜ける 体中の血の気が退いた でもアタシのところに這ってでも 体にしがみつく同僚 女子が少ない職場の中 アタシが1番の古株 アタシがしっかりしなくちゃ と自分を奮い立たせた 揺れが小さくなる度に少しづつ 外を目指した 階段には植木鉢が割れていた 段ボールが倒れていた 聞こえるのは建物が揺らぐ音 足音 気をつけろと上司の声 後輩 同僚の泣き声 とにかく必死だった 生きるために必死だった
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!