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2011.3.11
3月11日
アタシは福島県郡山市にある
職場でその時を迎えた
建物が建ち並ぶ
地方都市の駅前中心地
その中のホテルの1件
3Fにある厨房
休憩に入った直後だった
突然の聞いたことのない警報音
なんのことかわからず
あんな大きな地震だとも思わず
ただ過ぎ去るのを待っていた
地震第1陣
避難するほどではない
これで収まると思ってたのに
地震第2陣
立っていられない
歩けないほどの揺れを感じ
フライヤーの油
作業台上の出汁
大きく波を打ちこぼれていった
どうしていいか分からず
ただ立ち尽くしていたアタシ
上司の外へ出ろ
と言われそこで初めて
自体の深刻さに気づく
逃げようにも
歩けないほどの揺れ
なんとか柱に捕まり揺れが治まるのを待った
そこでアタシが思ったことは
死
だった
天井が落ちて来る
床が抜ける
体中の血の気が退いた
でもアタシのところに這ってでも
体にしがみつく同僚
女子が少ない職場の中
アタシが1番の古株
アタシがしっかりしなくちゃ
と自分を奮い立たせた
揺れが小さくなる度に少しづつ
外を目指した
階段には植木鉢が割れていた
段ボールが倒れていた
聞こえるのは建物が揺らぐ音
足音
気をつけろと上司の声
後輩 同僚の泣き声
とにかく必死だった
生きるために必死だった
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