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如何にも平和だと言うチュンチュンと言う心地よい小鳥の声とジリジリと朝を告げる煩い目覚まし時計とのち違いは、考えるだけでも腹が立つ。
そんな腹立たしさを全く気にも留めないで狭い部屋に響き渡る音に嫌気が差して、布団を蹴り飛ばして殴るように目覚ましを止める。
…痛い。
勝ち誇ったように騒然とベッドサイドに置かれている目覚ましを憎々しく見つめて、明日への対決を試みる事を青年、西崎青葉は誓う。
跳ねあがったブロンドの髪を軽く整え、漆黒の瞳を鏡へと向け適当にこれでよしと判断する。
(こうも寝起きが悪いと憂欝な気分になるのは俺だけなんだろうか)
もう少し気持ち良く起きる事が出来ればよいのだが、一人暮らしを維持していくために夜はバイトで寝るのは4時。
まだ高校生であり、通っている私立橘高等学校から遠く離れた青葉は片道だけで2時間もかかるために6時には起きて準備を始めなければ間に合わない。
何でこんなにも遠く離れた遠くにマンションの一部屋を買って一人暮らしを始めたかと言うと、家出し安い金額で済むのが現在住んでいるマンションのみだったからだ。
近場で安く住める場所があるなら早々とこんな所を出てやろうと考える青葉だが、実際はそんなに簡単にはいかないのだ。
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