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白一色のカッターシャツを第二ボタンまで外しておき、青いネクタイを緩く結びベスト、ブレザーの順に着こなしズボンを穿いて、音一つ聞こえない事に小さくため息をつく。
身支度を済ませて部屋を出て直ぐ近くにある「AKARI」と書かれたネームプレートの掛けられた部屋にノック無しに入るなり短く切られた赤いの髪をボサボサにさせて大きく妙な顔をした猫の抱き枕に抱き着いて、すやすやと眠る少女に視線を落とす。
「おい、コラ。毎日毎日なんで俺より先に寝てる奴がまだ寝てんだよ?朱莉、いい加減に起きろ!」
「…うみゅぅ、久木さぁん…紅茶一杯」
「またコイツは…。俺は青葉だっつーの!二次元の世界からいい加減に帰って来い!」
「それは禁句だろーが。これだから三次元は困るっつーの」
嫌味混じりの言葉に腹を立てたらしい少女こと新城朱莉は早々と起き上がるなり、黒に近い青い瞳を鋭くさせて青葉をきつく睨みつけた。
黙っていれば良い線行くと思うのだが、世の中の人間がオタクと言う存在で趣味は夜な夜なのゲーム攻略と言う変わり者なのが傷である。
そんな朱莉とは一応幼馴染と言う事で何とかしたいと試みた事はあるが、どれだけの努力と時間をつぎ込んでも変わらなかった事から諦めた。
しっかりと机の上に整頓されているフィギュア達を見るなりげんなりとしてしまう。
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