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冷蔵庫から卵二個とベーコンを取り出し、予め火に掛けておいたフライパンの上で卵を割り水を少し入れて蓋を閉める。
この通り、私情で忙しいと答えて家事全般が出来ない事を誤魔化す朱莉の代わりに全般を引き受けている。
少しくらい手伝ってほしいのだが、猫なで声が聞こえてくる朱莉の部屋に入る事は出来ない。
程良く焼けた目玉焼きを皿に盛り、昨日の余ったご飯をよそってダイニングテーブルの上に乗った物を落ちる事構わず退けて皿と茶碗を置いた。
再度キッチンへと戻って溜まっていた食器を洗っている時に、ようやく身支度を終えた朱莉が部屋から出てきた。
ボサボサだった赤髪はしっかり整えられ、左側の一束を白いリボンで結ばれており、何処ぞのアニメに出てくるような髪型へと変化している。
そして白一色のブラウスにベスト、ブレザーを羽織り黒と青のチェックのスカートを穿き、同じ柄のリボンが胸元で目立っている。
これが私立橘高等学校の制服なのだが、やはりどう考えても女子だけ豪華であり派手なのではないかと思う。
一度でも良いから理事長の顔を見てみたいところだ。
「えぇえ~…?ちょっと青葉君、何でこんなにご飯が固まってるかなぁ…?」
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