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『うあぁぁぁぁぁ』
『バッバケモノ!』
化け物、間違えた呼び方じゃない。
「とっとと消えろよクズが!」
『ひっ!ひぃ!』
走って逃げていく男たち。
「穂。終わった?」
路地の影から出てくるシルバーの髪が特徴の女性が顔を出す。
「ケイトか。終わったよ。付き合ってもらって悪かったね」
「あまり無理しないで。その体になってまだ5日も経ってないのよ」
その体、俺はゾンビになったらしい。理由は簡単、死んだからだ。
しかし、良いところもある。力が一般人の数倍に上がった。痛覚が無い。傷がすぐに治る等が良いところなんだが、悪いところもあって日差し・蛍光灯の光に弱い。
それに『あの時』の傷も痛まず、完治している。
あれは俺が死ぬ4日前だった。
紹介が遅れた。俺の名前は津田 穂(ツダ ミノル)趣味は悪魔の研究。
喧嘩をするのは苦手だった。しかし喧嘩は負けた事は無かった。
季節は初冬。寒くなってきた頃だ。その日学校の帰り道、妹が20前半の男が数名絡まれていた。
『なぁ、お嬢ちゃん。お兄さん達と遊ばない?』
『ちょっとだけだよ~』
「嫌よ!私から離れて!」
助けるだろ?妹だし。
尚も妹に近づくクズ共の前に俺は飛び出した。
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