前兆

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「贅沢言わないでください。食べられるだけありがたいじゃないですか」 「わかってるわかってる。リンドウさんがまた配給ビールをもらいに来るな……」 「最近は、サクヤさんから注意されているらしいですよ」 「そいつはいい。リンドウさん何かあったら俺の部屋来るからな」 そんな他愛ない話をしていると、急にクレアの左腕に激痛が走った。 「うっ………!」 神機を離して左腕を押さえる。 「だ、大丈夫ですか、リーダー!?もしかしてさっきのヴァジュラに………」 アリサが左腕に触ろうとする。 「触るな!」 「え……?」 「あ………す、すまん。ちょっと引っかかれただけだから大丈夫だ」 何ごともないように立ち上がり、神機を持つ。 「でも……」 「お~い、クレア~、アリサ~、早く帰ろうぜ~」 遠くからコウタが手を振っている。 「さ、帰ろうぜ」 「………ハイ!」 こうして、クレア達は贖罪の街を後にするのであった。
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