前兆

6/9
前へ
/141ページ
次へ
-数十分後- 診断が終わり、クレアは脱いだ服を着ていた。 「検査結果が出たよ」 「どうですか?」 「………………やはりアラガミ化が進んでいるね………」 それを聞いてクレアは自分の左腕を触る。 「やっぱり………」 「前回より17.2%上がっているね。実感はあるかい?」 静かに頷いた。 「このままじゃアラガミになってしまうのも時間の問題だね」 「そう………ですか……」 「どうするつもりだい?君をアラガミにするわけにはいかないし、やはり………」 「やめてください。俺は、この仕事が割にあってるんです。それはできません」 「しかし、君は今や極東支部の心の柱そのものだ。それは折れてしまうのは避けたい」 「…………………」 「真剣に考えてくれないかな?君が助かる方法は、ゴッドイーターを辞め、本部の医療班に行くことだけ………」 「やめてください!!」 クレアの大声でラボの中に沈黙がおきる。 「やめてください………俺は………それだけは決められません………大好きなここを離れたくありません。失礼します」
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加