武道大会

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「……」 仰向けになり空を見上げる俺の首にアリスの剣が突きつけられる。 アリスと俺の剣が打ち合った結果、俺は剣を弾き飛ばされた挙げ句に当て身を食らわされ倒れてしまい、今アリスに剣を突きつけられている。 隙を見つけようにも隙がなく、かといって強引に抜け出すには状況が悪いし、痛みで体を動かす事もままならない。 俺の敗北だった。 生まれて初めての敗北の味はとても清々しく、自分の力を存分に発揮できた事に対する満足感で胸が一杯だった。 「降参だ。…アリス、お前の勝ちだよ…」 俺がアリスに降参の意を伝えると、強張っていたアリスの顔がいつもの表情になった。 「そうか…ロイの事だから…ここから抵抗するんじゃないかと思って…止めを刺そうか迷っていたんだ…」 「何それ怖いんですけど」 試合を終えた俺とアリスは腕輪を外す。 腕輪の機能によって動かなかった左腕も、全身を包んでいた痛みも、まるでそれが夢の出来事であったかのように消えていた。 だが俺は立ち上がる事ができない。 痛みだけを受けていたアリスとは違い、こちらはかなり無理をして魔力や体力を削り応戦していたため、体全体が非常にだるい。 そんな俺とは対照的に腕輪を外した途端に運動後のストレッチをするように体を捻っているアリス。 なる程、戦闘中の魔力や体力の配分という意味でも負けていた訳か。
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