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気付いたら、チビを思いっきり抱き締めていた。
ーーあぁ、そうだよな。
「……おっさ…ッ。」
"「愛してる。」"
耳元で刻む。
はっきりと、意味をもって伝える。この温もりを感じて欲しい。
「チビを愛してる。」
ぎゅぅっと抱き締める。
苦しいくらいに強く強く…。
「……おっさ……でも、俺は…」
「愛せっ!!!!」
大声でチビの次の言葉を掻き消す。
「チビ、俺を愛せ。」
「……。」
チビは涙を瞳に溜めながら黙って聞いていた。
「お前に愛されたいんだ。お前の愛を俺は知りたい。チビ…お前は愛していいんだ。」
愛したい相手がいるのに、愛せないと愛してはいけないんだと思う自分がいるんだ。
それは、愛を知らないから。
「お前に俺の愛を捧げるよ。」
チビになら、いくらでも。
俺の知った愛を、お前にあげる…。
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