おっさん、そして。

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<チビ目線> 「おー、それで俺今日帰り遅くなっちまう…」 「いいよ。先に食っとくし。」 おっさんが仕事の都合で遅くなるらしい。 わざわざ電話までかけてくれた。 でも… 「チビ…ごめんな?」 「いいよ、仕事だし。」 強がって寂しさを隠してはいるけれど、本当は一緒に食べたい…。 「そこは、一緒に食べたいって言っとけ」 おっさんは、何時も言えない俺の言葉を代わりに言ってくれる。この前も、ずっと言えなかった好きを言ってくれた。だから、俺も少しは素直になってもいいよね? 「.......すげぇ一緒に食べたい////」 勢いに任せて、言ったのは良いけど… 会話が途絶え沈黙が羞恥心に変わる。 何でもいい。こんな時、黙らず喋っていて欲しい。 「はぁー、俺はお前には勝てねぇな。」 「どういう意味…」 「すげぇ可愛い/////」 ーーば、ばっきゃーろー///////// 電話越しに言ってくるなよ。会いたい気持ちが強くなって、逆効果だって。 「切る!!!!!!////////」 もう、無理だ…。 俺もおっさんに勝てる気しねぇーよ。
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