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<チビ目線、過去>
俺の好きな人は部活の先輩。かれこれ3ヶ月前俺から告白し、見事にゴールイン。今日が記念日だったりもする。
「ねー、橘くーん」
言い寄る女は多数いた。
けれど俺は先輩にしか興味がない。
ーーてか、ゲイだってのー。
親にはまだ…言えずにいる。何時かは言わなきゃいけないと思っているんだけど…。
先輩を迎えに部室に足を運ぶ。
ついつい足早になるのは、しょうがないでしょ?
青い空の下で浮かれているのは重々承知。
「先輩ーっ?」
部室のドアを引き、中に声をかける。
ひょこっと顔を出すと先輩と目が合った。
「幸人わざわざすまん」
先輩ははにかんで俺を見る。俺の心臓が壊れそうな事を先輩は知っている?
「先輩だけ?」
部室を見渡すと誰もいない。
「あぁ、もうみんな帰ったよ」
「ぼっちじゃん?」
「まぁ、ぼっちもいいかなー」
先輩の唇が触れ、分かってはいるものの理性が飛ぶ。そのままの流れで愛しい人と抱き合った。
ここがどこか、なんて、若い俺らには関係などなかった。
青かった空も黒と赤と青が混ざって独特の美を出していた。そんな空の下を俺たちは手を繋ぐ。
相手のドキドキも、俺のドキドキも全部伝わる。
「幸人、ずっと一緒にいよ?」
なんて言われれば、俺の返事は言わなくても分かっているよね?先輩。
「約束破るなよ?」
可愛くない事は知ってるけど、俺の髪を優しく撫でた先輩の顔を今でも忘れずにいる。
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