おっさん、白状します

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「和幸、あんた…何でそんなに美しいの?」 「母さん…?」 ある日突然、母は俺にそう問いかけてきた。 「あんたは綺麗になっていくばかり…私は…私は………ぁ。」 「何言ってるの?母さんは綺麗だよ!?」 「煩い、黙れっ!!!」 母は台所から包丁を取りだし、俺に向けたまま近付いてきた。 「煩い、煩い、煩い…。あんたが悪いの。美しいあんたが。」 そこには母は居なかった。 「かぁ………さ…。」 涙は零れなかった。溢れもしなかった。 一歩一歩近付いてくる母の姿が、スローモーションで時間が遅く感じた。 母の足が俺の足に当たる。 首元に金属のひんやりとした感触が伝わる。 「あんたなんか………あんたなんか………。」 一筋の涙が母の頬を伝う。 「あんたなんか……産まなきゃ良かった。」
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