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「おい、お前名前……ってぇぇ!!」
「あ、悪ぃ。手すべった。」
頬に痛みが走る。
うっすらと血までもが流れ出ている。
ーーやられた…。
予想はしていたからそこまでは驚くことはなかったが、痛いんだなこれが。
美青年の体を振り払い(優しく)ばんそうこうの入った救急箱を取りに走った。
消毒をし、ばんそうこうをつけた。
ーーよし、完璧!バイ菌入ってなぁ~い☆
「女々しい男だな…。そんなの唾つけとけば治るって。」
切った犯人は俺の座っていたイスに深く腰掛け、まるで王様みたいにしている。
ーードSか、このやろう…。
「なぁ、失敗したけど…」
「お前はっきり失敗とか言うなよな!!」
「聞けよ!!」
美青年が声を張り上げた。
妙に大人びてたから怒るという事も無いのだろうと勝手に思っていた。
「…あぁ、聞くよ。で、何だよ?」
勝手に思っていたから、『子供っぽい所もあるんだなぁー』と思えて『なんだよ…。』って思った。
自然と口元が緩んだ。
「…………かっこよくなったつぅーの!////」
「なんでそこで照れんだよ、ハハハッ。」
笑った。
腹が痛くなるくらいに。
この感覚は久しぶりで、案外拾ものも悪くねぇーな。と思ったんだ。
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