田村の姫

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愛姫は父が待っている 大広間に向かった。 ー大広間ー 「失礼いたします」 「愛か、入りなさい」 と父清顕は優しく言った。 中には、父一人しか居なかった。 「何でお呼びでしょうか?」 「あぁ、実はな、愛お前の縁談が決まった! 私はいい縁談だと思う のだが…… 受けるか?」 「いやいや、ちっ父上 待って下さい! 急に言われましても… というか、相手を知らないんですけど」 「あぁそうだったな。 お相手は隣国伊達家の若君だったハズだがな…」 (ハズって大丈夫かしら?) 「伊達家ですか!? どうやってそんな大家に 嫁げるようにしたのです?」 私は驚いてしまった。 何故か。 それはー。 伊達家といえば奥州の名門でしかも田村と比べ物に ならないくらい大きな家 だから。 そんな大きな家に田村 ごとき家の者が嫁ぐなんてあり得ないのだ。
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