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イヴはかつて魔法文明の宿場町として栄えていたメゾーレに来ていた。
この町も、10年前の世界政府の魔法文明抹殺計画によって焼け野原になっていたが、生き残った者達が宿を再建し、細々と営業している。
が、それと同時にこの町は無法地帯でもあった。心が荒んでしまった孤児達が宿のお金を盗んだり、縄張り争いはしょっちゅうであり治安はかなり悪い。
わずかに魔法文明の名残として喧嘩の時に魔法が飛び交う、火の玉やら氷塊、電気と。
歩き疲れたイヴは今日は一旦この町に止まることに決めていた。腕にはかなり自信がかなりあるからである。
イヴは最初に見つけた宿に入った。
「雨しのげるだけマシか」
その宿は屋根は板を雑に組み立てておりその上にシートをかけるという粗末な作りで壁もところどころ隙間が空いていた。
「いらっしゃい!この宿の支配人ニコニコです!何泊していきます?出来たらいっぱい泊まってもらえたら儲かるでいあんですがね!ワッハッハ!」
支配人のニコニコはとても気さくな中年の男性と言った感じでイヴは少し安心感を覚えていた。
「一泊でいいです。一晩眠れれば。」
「そうかい!まぁうちの宿はこんなボロっちいけどさ、慣れれば都って言うだろ!まぁ一日じゃ慣れんか!ワッハッハ!あ、住めば都か!ワッハッハ!」「あのー…料金は…」
「あぁすまんすまん!一泊100イェンだ!この辺りじゃ1番安くしてるぜ!」
「ありがとう。」
イヴは部屋の鍵を受け取りニコニコから言われた部屋番号の部屋に向かった。入ってみるとやはり粗末である。鍵というのも内側かける、南京錠である。
「さて寝よ寝よ、今日は疲れたわ…」
荷物を置きイヴはベッドに飛び込んだ。寝心地はかなり悪かったが、半日歩いた疲れには勝てず、あっという間に夢の中へ落ちていった…
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