第1章-憎しみの町メゾーレ-

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イヴが部屋のベッドにダイブした頃、隣の部屋に一人の男がいた。 李雷雷は麻薬を取引する闇商人である。 頬はこけ、背はすらりと高く、目には精気がない死神のような風貌をしている。 麻薬は機械文明の世界では禁止にされている。見つかれば死刑なのである。それを理由に、今では魔法文明の復興した町を根城にして麻薬を売っているのがほとんどである。町の治安の悪化に‘貢献’しているのもこの人達である。 李雷雷もその一人である。 (それにしてもきったねぇ宿だなぁ…うちらの世界とは大違いだ…) 李雷雷は隙間の空いた壁、シートを被せられた天井を見つめていた 「今日も遅いし…明日から売りまくってくか…」 李雷雷は静かに目を閉じた。 白い月[ジレー]、赤い月[タルス]、両方の満月がはっきりと見える夜だった。
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