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海に着いた。
やっぱり、海はええなぁ……
俺と夏実は、海には入らない。
夏実の体のことを考えてそう決めたんや。
「浩ちゃん!やっぱり、海は広いなぁ……うち、海大好きや……先のことを考えないでええからなぁ。」
夏実が、言った。
「せやな……」
俺は、この時夏実の言葉の意味がよく分からんかった。
「来年も、来れたらええなぁ……」
「何言うてんねん!来年も俺が、連れてくに決まってるやろ。」
夏実は、少し寂しい表情をして
「ありがとう……」
とだけ、呟いた。
これが、俺と夏実が一緒に過ごせた最後の夏やった……
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