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―――一週間後
屋上の片隅でアイズが泣いていた。
その周りに群がるのは数人の子供。
……何だ?これ?
『ゲン。お前、一体どうしたんだ?』
その中の一人、角刈り頭のゲンの表情は狂気に歪んでいる。
その真向かいに立つ小さかった頃の俺は、そのゲンを見て青ざめた表情をしていた。
……これは、五年前、屋上でゲンと仲間たちがアイズを虐めてた時の光景?
『うひゃひゃ。アイズの次はお前をイジメてやるよ!』
涎[ヨダレ]を垂らしながら迫ってくるゲン。
俺が腰を落としたその時、どこからともなくばっちゃんが現れた。
『ばっちゃん!』
子供の俺がそう叫んだ時、目の前に白い天井が飛び込んできた。
そこで俺は目を覚ました。
「……夢……か」
子供の頃の夢を見るなんてな。
溜め息を吐きながら緑色のカーテンを開けると眩い朝日が差し込んできた。
そう言えば、屋上の件でゲンは精神異常と判断されて、ばっちゃんに別の国の病院に運ばれたんだっけな。
俺は思い出に耽るように目を細め、目の前の、静かに流れる川を眺めていた。
ばっちゃんが殺されてからもう一週間か。
ばっちゃんの事を思い出していると、孤児院に入った時の記憶が蘇ってきた。
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