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自己紹介も済んだことだし、とパジャマのまま洗面所へと移動し顔を洗い歯磨きをすると、リビングの戸を開けた。 カチャ 結「はっなちゃぁあん!おはびぶ!」 開けた途端なんか気持ち悪い程に笑顔な人が出てきたから戸を閉めたらぶつかったらしい。再び開けると鼻血を出して四つん這いになり悶える(認めたくないが)ちょっと変態的な兄がいた。 名前は 宝生結奈 (ホウショウ ユナ) 17歳の高2。 僕と同色の髪をワックスでおしゃれに軽く盛って、程よい長さに。 同色の瞳は僕のように大きすぎない切れ長の男らしい感じだから、女顔には見えない。そもそも作りが父親似なんだよね、はぁ、羨ましい。 四つん這いの兄を見下ろしながら、 溜め息を吐くと鼻血をダラダラ流しながら上目遣いをしてきた。 なんだ?と頭にハテナを浮かべると鼻を押さえる左手はそのままに右手でグーの親指だけ飛び出たあのジェスチャーをしてきた。 そして、 結「ぐ、グッジョブ…」 そう告げて し ん だ。 マ「ちょっと結奈ちゃん今月何度目なのよドア壊すの。壊してもいいけど、鼻血を床に垂らすのはやめて欲しいわ。拭くのはママなんだから。 ってあれ?結奈ちゃんは?」 結「ガハッッ!」 パタパタと可愛らしい音を鳴らしながらこっちへ来たのは、これまた可愛らしい容姿の女性、お母さ 「マミーでしょっ?」 ……マミー。 (疑問符がその意味を成してないよっ!これは脅迫だよっ!) 僕らの髪と瞳の色はマミー譲り。 そして、そんなマミーだが結奈にぃがこうして毎日のようにドアを壊すから怒ってる。怒ってるのはいいんだが(鼻血は許さないとか言ってるけど、ドアも充分問題じゃないかな)結奈にぃを探しつつその本人を踏むのは可哀想! ほらガハッッ!って吐血までしてるし!なんで人踏みながらそれに気付かないの、マミー! マ「あらやだこんなとこに居たの結奈。あなたったら早く顔洗いなさいよご飯食べられないわよ。あらやだやっぱり鼻血床に垂らしてるじゃない。あぁもう。パパー!鼻血拭いててー!」 血が怖いから新聞を書斎で読んでいるパピーをわざわざ呼ぶという、 マミー流石です。
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