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泣いたせいで曇り涙で滑るメガネ。
人前じゃ取っちゃだめー!と結奈にぃが言ってたけど、マミーは「いい?暫くしたらメガネを取って相手をじっ、と見つめるのよ?そしたら相手は琶奈ちゃんの事好きになるんだから!」 って言ってたし、まぁいいよね?
よく言ってる事分かんないんだけど
とにかくメガネは取っていい。と。
引っ張られる右手は離してとは言えないので左手でぎゅうと、メガネを握ってたまにひりひりする目許を指先で擦った。
洋「もうすぐだからね、そこの廊下の通りだか、ら…」
「あ、はい!」
話しかけられるとは思ってなかったから、驚いて顔を上げ返事をした。
ら、何だか洋も驚いててまたびっくり。どうしたのさ何かついてる?
左手でメガネ持ちながらまた頬を擦る。いや、大丈夫。ヨダレはついてない。
洋「…ちょっといいか?」
そう言うが早いか僕の目の前で片膝をつき、ふわっ、と前髪を掻き分けられた。ちょ、だめだめ!不細工晒しちゃだめだめ!
洋「………っ!」
ほらー!声も出ないじゃんか。
あぁ、あー。
さっき泣いたせいか潤う大きな茶色の目をぱちぱちさせ、紅潮した頬でぷっくりとした桜色の唇は拗ねてるのか突きだしてる。それを目の当たりにした洋は、まさかこんなオタクがこんなに可愛いとは…と驚いた。
それもこの学園には大勢いる小動物系男子とはまた違う、可愛さと綺麗さをもっていてこれは大変だ親衛隊がすぐ出来るぞ、と確信する。
一方琶奈は、何で洋が固まってるのか分からずどうやって覚醒させるか悩んでいた。
(結奈にぃなら遠慮なく金蹴りするんだけどな。洋は親切でいい人だしだめだよね。 うーん。)
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