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暫くして元に戻った洋が、結奈にぃみたいに「人前でメガネを取らない事。」と言ってきた。よく分からないけどこういう時は頷くに限るので、
うんうん、と言っておいた。
洋「ほら、あそこ。あの木彫りのドアあるだろ?あそこが理事長室だから。 というか普通は校長室じゃないのか?」
もっともな質問だ。
「えーと、僕の叔父さんがここの理事長だから挨拶しなきゃ。なんだよね?多分。」
洋「へー、凄いな。叔父さんがか。
なら早く行って挨拶してきな。
多分30分迷子になってるなら30分以上待ってるはずだからな。」
いや、あの叔父さんなら待たせても大丈夫な、ような…
「…そうだね、早く行かなきゃ…
ありがとう洋、本当に助かった!」
まだメガネを握ったままお礼を言うと少し頬を染めながら頷いた。
ばいばい!と言って歩き出すと同じクラスだといいなー!と叫んで出会った当初の様に爽やかに笑みながら帰って行った。
あ、ごめんね洋。遅刻だよな。
なのに焦らない君が素敵だよ。
数歩先にある木彫りの立派な扉の前に立つと、悩んだあとやっぱマナーだよね。とノックした。
ガタガタっ バンッ!
「はっなちぃやぁぁあガフン!?」
…とりあえず、変なやつが出てきたんで扉閉めといた。なんかガフンって音が聞こえたけど幻聴?
あと、ガタガタって何かにぶつかる音も。
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