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今度は静かに開けるとうつ伏せで鼻血らしきものを垂らす叔父さんが居た。ちょっと邪魔なんで迂回してから室内に入る。
後ろ手に閉めた戸がまた何かに当たって叔父さんが「ゴフッ」と言っていた。…きっと頭にでも当たったのでしょう。
それにしても。
「叔父さん、慌てすぎ。」
叔父さんの机らしき正面の大きな机は資料がぶちまかれ、応接用のソファとテーブルは激しく歪んでいた。どんだけ焦って出てきたんだ。と可笑しくもあり何だか可愛くもあり笑ってしまう。
理「は、琶奈ちゃんが!琶奈ちゃんが笑ってる!レアー!!」
「叔父さん鼻血鼻血。ハンサム台無し。」
きらきらスマイルのとこ申し訳ないが本当に台無しだからね?!
気持ち悪いんだからね?
あ!とか言いながらティッシュを鼻に詰めた叔父さんは、ふかふかの社長イスに腰掛けポンポンした。
え?
何をかって?
そりゃ叔父さんの膝に決まってるだろーっ!
叔父さんとか結奈にぃとか、何でかよく膝をポンポンする。それは、
ここに座れ。っていう合図なんだけどもそれは僕にとって体躯の差を見せつける為の嫌がらせにしか思えない。
だから僕はその場に立ち竦み拒否してたんだが、ハンサムスマイルを浮かべた叔父さんが僕の脇に手を入れよいしょ。と膝に向かい合わせに座らせる。 座るまでは、何かちび。子供。って言われてるみたいでヤなんだけど、座ると暖かくて広くて凄い居心地がいい。
それを知ってるからか、叔父さんは僕の腰を掴むとぐい、ともっと近付けた。
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