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辺りを散らしながらカツラを探していると、ノックの音がして結奈にぃが部屋に入って来た。いつもなら入った瞬間抱きついて来て名前を連呼し顔中にちゅうしてくるのに、それがない。珍しいと思いつつも手は動きっぱなしで、 「結奈にぃ、僕のカツラ知らない? なんか、探しても見当たらなくて…」 そう質問すると、目の前にパサッと黒い物体が降ってきた。 え? 「なにこれ。」 結「カツラ」 僕の声と結奈にぃの声が被った。 カツラ? 僕が中学時代に被っていたカツラは 地毛に近い方がバレにくいだろうと、茶髪だった。周りが割りと黒髪が多かったため、そのカツラ結構気に入ってたんだけど… このカツラは黒髪。真っ黒。 しかもそれだけじゃない。 ボッサボサ!! 「結奈にぃ、僕は中学時代の様に茶髪の方が良かったんだけど… 折角持ってきてくれたのに悪いけど…ね?」 結「茶髪?!だめだめ学園では目立つ格好しないの!琶奈ちゃん、皆に狙われてもいいわけ?!」 狙われるって何をさ!? 学園ではサバイバルでもやってんの?女子もいるのに? 結「俺は琶奈ちゃんをそんな危険な目には合わせらんないね!だからお願いこのカツラ被ってこのメガネして?ね?」 手渡されたメガネ。 黒渕。異様に分厚い。手垢だらけ。 「ナニコレ。」 結「お願い!琶奈ちゃんその瞳と髪色だと目立つでしょ?」 「でも高校にはこんな髪色の人、 ゴロゴロいるでしょ?」 金に見えるとは言っても茶髪。 瞳の色も同色だけど最近じゃカラコンする人も多くピンクや緑も少なくないし。 それにそれに、結奈にぃも僕と全く同じ色じゃないか!
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