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てことで只今僕は転入すべき学園に向かって歩いてます。ところがなんと早々にも問題が。 春らしく、シャツとネクタイという薄着なのはいいんだがこのカツラ… 蒸れる! 頭が痒いのなんの。はやくとりたいよー!しかも只でさえ、異様にボサボサなのに風をあびて更にボサボサになってる!こんなので僕は友達が出来るんだろうか。不安だ。 出来なかったら結奈にぃぶん殴ってやる。 はぁはぁ言いつつも何とか校門に辿り着き 「花色学園」の文字を確認し、揚々と門を潜る。 案内役が来てくれると思うよ。 という、結奈にぃの言葉はこの時忘れていた。だってだってカツラが蒸すんだもん!はやく学長室に行ってカツラ取りたいよ! 蒸れるカツラ、重いメガネと戦いながらも園内を歩き続けた。しかし30分以上経っても学長室が見当たらない。広すぎる園内じゃ、迷子になって当然だとも思うがこれは幾らなんでも辿り着くのに時間を、かけすぎだ。 「…も、もしかして…迷ってる?」 なんか、不安になってきた。 そういえばこの白い柱何回か見たような…いや、待って向こうの白い柱だったような…え?全部同じ柱? 「ど、どうしよ…」 不安過ぎて何だか泣けてきた。 どうしよ…そういえば案内役が来る。って結奈にぃが言ってたじゃん。大人しく校門で待っとけばよかったのに… 僕ってなんで後先考えずに行動しちゃうんだろう… あぁ、考えれば考える程泣けてくる…泣き虫なのも僕の欠点だよ… 「ぐ、ずん、ぐ…ひっ、にぃ、 にぃにぃ…っひく」 メガネは曇るし足は痛いし喉と鼻の奥も痛いしカツラは蒸すし道は分かんないし遅刻しちゃってるし叔父さんは待たせてるし結奈にぃが手配した案内役の人も困ってるだろうし僕も困ってるしなんなのさ、もぉぉ! 「う、にゃぁぉぁああんっ!」 耐えきれず僕は大声で泣いてしまった。しかも、うわーん、じゃなくてにゃーん、になってしまっている。自分をコントロール出来なくなると、半ネコの部分が出るのも僕の欠点だよね…っ 「に、にぃぃ、…ひ、っく」
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