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駆け足で部長室へと向かう。
少しほかよりも豪華にしてあるドアをトントンとノックした。
「失礼します、児嶋です。〇〇会議の資料を持ってきました。」
「…入れ」
…………あれ?
いつもの部長の声より若々しい気が…
部長は45歳で、声にも歳が滲み出ていたんだけど…。
「はい…」
不思議に思いながらとりあえずドアノブを回す。
「…っ!……う、わ…」
あまりの驚きで言葉がでない。
私の目の前にいる人はいつもの部長……ではなく、目を疑うかのようなデスクワークが似合う、俗にいうイケメンだった。
「…お前、例のこの会社の問題児だったな。」
今まで私がしてきたミスを知っているのか、少し呆れ顔で私を見る。
まだ明らかに二十代だろう彼。
それよりも不思議に思ったのは、なぜこのようなイケメンが部長室の椅子に座っているのか……。
私は恐る恐る尋ねる。
「…あの……あなたは、誰ですか…?」
その瞬間、彼は眉間に皺を寄せ、じろ…と私を睨む。
睨んでいる顔も迫力が半端ない。
私はびくっとし、肩をすぼめる。
「お前…俺のこと知らないのか?」
「あの…、部長室の椅子に座ってるってことは、……部長…なんですか?」
「………。」
私の言
葉に恐らく部長であるだろう彼は、はぁ…と溜め息を吐く。
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