未定

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「……もしかして、まだやってねぇの?」 「だーかーらー!こんな声を大にして言えることじゃないけどさぁ…やってるよ!」 「だって、入れてないんでしょ?」 「は?んなアブノーマルな趣味は銀斗持ってないよ?」 「ハァ………」 大きなため息をついた佐藤は伏せていた体を起こして、こっちに向き直った。 「黒蓮君。英嗣先輩が教えてあげるよ」 佐藤はワックスでキメたオレンジの髪の毛を整えると、さっきまでやる気の無かった顔に笑顔をはりつけた。 「……何ですか、佐藤英嗣セ・ン・パ・イ?」 皮肉っぽく返しながら、口の中の唾を喉をならして飲み込む。 「君が銀斗さんと行っている行為は、セックスではない。」 「へ?………えぇぇ!!」 「君の事だ、どうせチンコ扱き合ってんのが男同士の行為だと思ってたんだろ?」 なぜだろう、佐藤には俺の全てがお見通しだ。 佐藤の言葉に何回も頷く。 「そんなの只の自慰の見せ合いじゃねぇか、そんなのそこら辺の小学生でもやってるんだよ?」 佐藤の言葉に口が開く。 俺が毎回果てしなく恥ずかしい思いをしてることを、そこら辺の小学生が平然とやってるだって!? 「まぁ、普段はそんなので良いけどさぁ…たまには銀斗さんも男なんだから、突っ込みてぇんじゃねぇの?」 突っ込む……銀斗のを、俺に? 自然に身震いしてしまった。 冷や汗が出て来そうだ。 やっぱり佐藤はシモの事なら何でも知ってる俺の師匠だ。 「もしかしたら、黒蓮以外のところで発散してたりして?」 「へ…………」 銀斗に限ってそれはない…いや、ありえるかも。あいつ変態だし。佐藤の言葉に急に心臓と頭は焦りだす。 佐藤は意地悪い顔でこっちを見ている。 「まぁ、もうすぐホワイトデーだし?おれが色々教えてやってもいいけど?」 「ほんとか!?」 さすが佐藤! いつもは弄られてばかりだが、俺が助けて欲しい時に助けをくれるのだ。
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