12

8/13
前へ
/267ページ
次へ
女子トイレに七海が居る……! 義父の言葉を聞いた私は走り出していました。 男子トイレを出て、奥にある女子トイレへ。 足を踏み入れた時――煙たい匂いが鼻の中に入ってきて。 一番奥の個室からは、火の手が上がっていました。 「七海!!」 火災報知器が無いのか、トイレ内は煙が蔓延しています。 私は視界が灰色に霞む中、奥の個室へと近付こうとして―― 「動いたら殺すわよ」 「ッ?」 背後から何者かに腕を掴まれ、首に刃物を突きつけられました。 「あなたは……陽子さん? 離して! 今更どうしてこんなことを……?」 私は後ろにいる陽子さんらしき人物に問いかけます。 「今更どうしてかって!? 貴女が子断ちの儀式の邪魔をしたせいで、村の人間たちが次々と呪いにかかって死んでいるのよ! このまま、貴女の娘を生かしておけば、村人全員――私の命だって危ないの! だから――」
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32745人が本棚に入れています
本棚に追加