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七海に対して変な気を起こさないかと、横目でしばらく義弟を見張っていましたが、ずっと監視しているわけにもいきません。 義母がこの家を訪ねてくるのは、いつも夕方なんです。 ご飯はうちで食べるのが最早習慣となっていて、当然のように私が全部作らなければいけません。 なので、一旦台所に立ち、私は夕食の準備に取り掛かりました。 その日のメニューは、ビーフストロガノフと春雨サラダでした。 どちらも七海の大好物です。 予め調理しておいたビーフストロガノフを温めて、炒めたバターライスと一緒にお皿に盛り、冷蔵庫に作り置きしておいた春雨サラダと共にテーブルへ。 その他の用意も終えて、5人で食卓を囲みます。 すると、テーブルの上に並べた料理を見て、義母がひとこと。 「また今日も、異国の料理? 好きねぇ、麻衣さんは私たちと同じ日本人なのに」 それを聞いて、また始まったかと内心思いましたが、口には出しません。
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