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「拓也も亮もね、子供の頃から日本人らしい料理を食べて育ったの。だから、異国の料理は口に合わないのよね」
「……はぁ」
義母が文句を言う横で、拓也も義弟も黙々と私の作った料理を食べています。
「私は料理が得意でね。昔は2人とも、美味しい美味しいと食べてくれたものよ。ねぇ、拓也?」
「ああ」
拓也はテレビを見ながら春雨を口にいれ、空返事で答えます。
「今度、私が麻衣さんにこれぞ日本の料理というものを教えてあげるわ。毎日こんなものばかりじゃ、食べさせられてる拓也と七海が可哀想だもの」
「……お願いします」
今度、今度と言いながら、うちにしょっちゅう来ている義母が料理を手伝ってくれたことは、一度もありません。
それに料理が得意というのも嘘です。
義母の息子である拓也が「下手だった」と言っていましたからね。
結婚する前、私たちは半年ほど同棲していました。
その頃に、私の手料理を見た拓也は「こういうものは、外でしか食べられないもんだと思ってた」とよく驚いていました。
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