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取り返しのつかない事態になる前に、早くどうにかしないと。 皆が料理を食べ終わった時、私は当たり前のように一人で片付けをします。 誰も手伝ってはくれません。 別にいいんですけど、「手伝おうか?」の一言くらい義母や拓也の口からあってもいいのに……とは思ってしまいます。 綺麗にしたテーブルの上に、蝋燭を5本立てた誕生日用のチョコレートケーキを置きました。 「ちょっと、麻衣さん。誕生日なのに真っ黒いケーキなんて、まあ縁起の悪い……」 義母の小言は聞き流し、蝋燭に火を点けます。 「七海、5歳の誕生日おめでとう!」 チョコレートケーキが大好きな七海は嬉しそうに、勢いよくふぅ~ッ! と火を吹き消しました。
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