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「麻衣さん、ケーキを出すなら、夕飯の量をもっと少なくしても良かったんじゃないの? ナナちゃん、お腹いっぱいでしょ」
「ベツバラだからへーきだよ!」
「駄目よォ、ナナちゃん。そんな端ない言葉使っちゃ!」
一体どういう教育をしてるのかしらと義母は言葉を続けて、私を睨んできました。
けれど、別腹って人前で使うと相手に失礼に当たるような、そこまで品のない言葉なんでしょうか。
くどくど文句を続けながらも、義母は5等分にカットしたケーキを口に運びます。
そして、時間をかけずに食べきったあと、義母は七海に笑いかけます。
「そうだ! 今日はねェ、ナナちゃんにプレゼントがあるのよ?」
「プレゼントっ?」
義母の言葉を聞いた七海は、口の周りにクリームをつけながら、瞳を輝かせました。
「七海、お口拭くからこっちに来て?」
「ナナちゃんへのプレゼント。亮お兄ちゃんがね、選んでくれたのよォ?」
義弟が七海にプレゼント……?
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