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一体、何をプレゼントするつもり……?
娘の口周りをティッシュで拭きながら考えていると、私の心は不安で満たされていきました。
「ナナちゃんが気に入ってくれるといいけど……」
そう言って彼が持ってきたリュックから取り出したのは、ケースに入った女の子の人形でした。
「あ~! これ、ナナがほしかったの!」
「ちょっと、七海!」
娘は私の手から離れて、とたたたと素早く亮の元へ行き、満面の笑みを浮かべて人形を眺めだしました。
バナナみたいなポニーテールをした、黄色い服とミニスカートに身を包む女の子のフィギュア。
それは、七海が日曜日の朝にかかさず観ている女児向けの変身モノのアニメに出てくるキャラクターの1人でした。
「ナナちゃんが好きかなと思って、これにしたんだ」
「大好き! リョウおにいちゃんアリガト~!」
「喜んでもらえて、良かったよ」
普通だったら、幼い女の子へのプレゼントとしてソレを選んだのは、変だと思わないかもしれません。
けれど、相手はロリコンの性犯罪者。
娘へのプレゼントで、こんなに嫌な気分になるとは思いませんでした。
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