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プレゼントを受け取り、喜ぶ七海の隣で、義母は「良かったわねぇ」と娘の頭を撫でました。
「そうそう。私からもあるのよ」
それから、義母は風呂敷に包まれた何かを自身の膝に置いて言葉を続けます。
「もうすぐ、七五三でしょう? そのお祝いにうちから持ってきたの」
娘の誕生月は10月で、あと1ヶ月もすれば七五三のある11月15日になります。
けれど、5歳の成長を祝うのは男の子だけです。
疑問に思う私のことなど構わず、義母は風呂敷を広げて中から木箱を取り出しました。
ティッシュ箱より少し大きめの木箱。
かなり古いものなのか、表面は傷だらけで、ところどころ黒ずんでいました。
何故だか、木箱は異様な雰囲気をまとっていて……。
私の頭の奥で、何かが警鐘を鳴らしていました。
決して触れてはならない、と。
「こっちも気に入るといいけど……」
義母は特に気にする様子もなく、古びた木箱の蓋を取りました。
中に入っていたのは――
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