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「そのおニンギョーさん、かわいくないから、いらな~い!」
「ふふ。ダメよ、ナナちゃん、我が儘を言っては」
義母はたかなし人形と呼ぶソレを木箱にしまい、私に差し出してきました。
「麻衣さん。たかなし人形はとても大事なものだから、壊さないように大切に保管しておいて頂戴」
「……はい」
娘と同じく、私も要らないと拒否したかったのですが、とても断れる空気ではありません。
真剣な表情をした義母の手から木箱を受け取ると、彼女はどこかほっとした顔つきになりました。
「くれぐれも壊さないよう、気を付けてね」
念押しする義母に「わかりました」と言葉を返して、私はクローゼットの棚の奥に木箱をしまいました。
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