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私たちのいるリビングの隣の和室で、七海は義弟と折り紙で遊んでいます。
「リョウおにいちゃん、みてっ!」
「おっ、上手いじゃん。パクパクだよね。ちょっと貸してみて?」
「いいよ~」
「パクパク、パクパク。ナナちゃんを食べちゃうぞォ」
「アハハ☆」
……ああ。
七海と戯れる義弟から、娘を引き離したい。
今すぐ遠ざけたい衝動に刈られますが、それは出来ません。
「ナナちゃん、良かったわねぇ。お兄ちゃんに遊んでもらえて」
隣で義母が見ているからです。
「亮は面倒見が良いから、麻衣さんも助かってるでしょ?」
「そうですね」
「でも、楽をしてばかりじゃダメよ? わかってる?」
「はい。気を付けます……」
義母の中では、過去に義弟が起こした事件は終わったものとして片付けられています。
もう無かったことにすら、なっているのかもしれません。
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